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ブータンの光る石

更新日:2021年5月22日


出典 外務省HP

ブータンをご存知でしょうか。ヒマラヤ山脈に抱かれた小さな国。ネパールの東隣にある国です。


GDPでは世界約200か国中170位ほどですから、10年くらい前までブータンが日本のニュースで取り上げられることはまずありませんでした。ですからブータンと言われても「なに?どこ?」という人がほとんどだったと思います。


ところが近年、訪日時の国王夫妻の様子や秋篠宮家の人々のブータン訪問をテレビが追いかけ、新聞が書き立てるという状況となり、ブータンの知名度はグンと上がっている印象です。


日本のマスコミが急にブータンに注目するようになった理由をお話しするのはまた別の機会に譲り、今回は私が2016年に観光で訪れた時のお話をさせて頂きますね。



ワンチュク国王夫妻

私にとってブータンはチベットと並んで神秘の国。ヒマラヤ山脈の中にひっそりと存在する桃源郷のイメージでした。子供の頃からいつか行ってみたいと思っていましたが、まさか実現するとは思っていませんでした。なにしろブータンは1971年まで鎖国政策をとっており、行きたくても行けるところではなかったのです。また国を開いた後も外国人の受け入れには積極的ではありませんでした。今でも海外からの旅行者が自由に国内を動き回ることはできません。専属のドライバーとガイドがずっと付き添って案内をします。


そんな国ですから、ブータンにはヒマラヤの手つかずの自然はもちろん、伝統文化と生活様式が残っています。人々は民族衣装を着、美しい布を織る昔ながらの技術も残っています。男性は広場に集って投げ矢や弓などの伝統的な遊び?武道?に熱中します。

投げ矢の的は30mくらい先! 腰の布が多い方が強いのだとか

そのうえ、断崖絶壁に建てられた寺院といったら、いったいどうやって造ったものか驚くばかりです。


チベット仏教の聖地 タクツァン寺院。別名「虎の巣」。標高 約3120mの切り立った崖に建てられた17世紀の寺院

ブータンの魅力を語り始めたら延々と終わらなくなってしまうので、ご興味のある方はブータン政府の公式ウェブサイトなどをご覧くださいね


    ブータン政府観光局  http://www.travel-to-bhutan.jp/



 

★ ブータンの光る石 ★


ブータンには織物や仏画をはじめお土産用の様々な工芸品があります。私もいろいろ買いましたが、一番のお土産はなんといっても河原で拾った「光る石」です。


あれはパロの空港から首都のティンプーへと向かう途中、ガイド君が古いお寺に寄ってくれました。道端に車を停め、川の上のつり橋を渡って訪ねたお寺自体もエキゾチックで素敵でしたが、帰りしなに河原に下りてみてびっくり。あちらこちらにキラキラと光るものが! なんと今まで見たこともないような輝く大小の石! 



写真は大きな石を割って持って帰ってきたものですが、薄く割れることから雲母だろうという予測はつきました。私は地質学には詳しくないのですが、帰国してから調べたところでは「白雲母」と呼ばれるもののようです。


あんなに大きな石があったのですから、川の上流には白雲母の岩もあるのかもしれません! 想像しただけでワクワクします。とにかくその光り方が半端なく、神秘の国にふさわしい石に思えて興奮しました。



持ち帰った石を拾った河原ではありませんが、このあたりの白い岩も白雲母かもしれません

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ヒマラヤ山脈は太古の昔、南半球にあったインド大陸が北上してユーラシア大陸にぶつかり、その下にもぐりこんでググっと押し上げてできた山脈です。ぶつかる以前は海だったそうで、このためヒマラヤ各地では赤サンゴの化石が採れるのです。近年流行りの「ヒマラヤのピンクソルト」も、この古代の海の塩が圧縮されてできたものだそうです。


とにかく白雲母も二つの大陸がぶつかり合って起きた造山活動によってつくられたものに違いありません。私が持ち帰った白雲母はキラキラと輝き、見るだけで幸せにしてくれるだけでなく、古代の大陸の衝突のドラマを想像させてくれる「一番のお土産」なのです。



ドチュ・ラ峠から臨むヒマラヤ山脈

なお、インド・プレートの北上は今でも続いているために、ヒマラヤ山脈は年々少しずつ高くなっているそうです。

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