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<女性性と生命の再生産>

「女性性」と「男性性」への振り分けが絶対的なものではない中で、世界で共通して見られる定義があります。それは「生命の再生産」が「女性性(女性原理)」ということです。言うまでもなく、女性が子どもを産む性だからです。「生命の再生産」は人間だけでなく、自然界すべての動植物にあてはまることです。このため農耕を中心とする時代には「生命の再生産」は特に重視され、その象徴は大地の女神「大地母神」として崇拝されました。

女性 = 母 = 生命の再生産 = 大地母神

 

一方男性は「生命の再生産」のために大地に働きかける風や雨、雷などを象徴する男性神として神話に登場します。

「生命の再生産」には、「生命の安寧と繁栄」、「生命の継続」、「生命の継続を究極の価値とすること」などのバリエーションがありますが、いずれにしても女性は「生命の守り手」というイメージで語られてきました。また単に人間の生命だけでなく、「自然の守り手」でもあるというイメージも派生してきたのです。

興味深いことに、戦争や環境汚染、貧者の困窮などを「生命に対する脅威」と捉えて活発に反対運動を起こしてきたのは女性たちです。もちろん、家父長制社会の中で生命のケアという活動が女性に振り分けられてきたということが理由かもしれません。それでも過去「生命の視点」「生命の再生産」を重視してきたのが女性だということは注目すべきことではないかと思います。

この点についてはまたブログの中で改めてお話ししていきたいと思います。

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